【自賠責保険】被害者請求申請代行サポート

　ここに、同じような軽微な追突事故に遭った2人の被害者がいます。どちらも事故直
後に首に違和感を感じたものの、外傷はなし。診断は「頸椎捻挫（むち打ち）」でした。
　Aさんは整形外科のみで治療。診察は数分で、湿布と痛み止めを処方され、2週間
で通院を打ち切られました。痛みは残ったものの、治療を続ける手段がなく、自賠責
からの補償は少額で終了。後に首の可動域が悪化し、私の元へ相談に来ました。
　一方、Bさんは初診で整形外科を受診したうえで、早期に接骨院との併用を開始。
週に数回、手技療法を受けながら丁寧に経過を記録し、被害者請求で治療費・通院
慰謝料・交通費も適正に補償されました。最終的に、後遺症もなく円満に解決しまし
た。
　この2人の違いは、**「自ら回復の道を選び、証拠を残したかどうか」**に尽きます。
行政書士として日々痛感するのは、「軽い事故ほど、その後が分かれる」という現実
です。制度と身体、どちらにも正しく向き合うことが、後悔しない未来をつくる鍵となる
のです。

　実際に被害者請求を行った方々からは、「制度を知っていて本当に良かった」「接骨
院の通院が認められて安心した」といった声が数多く寄せられています。
　たとえば、30代女性・主婦の田中さん（仮名）は、スーパーの駐車場で追突され、軽
度のむち打ちに。「最初は我慢しようかと思ったけれど、首の違和感が続き不安で…
」とご相談を受け、整形外科の診断書を取得のうえ、接骨院で施術を継続。自賠責に
対する被害者請求を行い、通院慰謝料・治療費・交通費もきちんと補償されました。
　「病院ではあっさり終わったのに、接骨院では身体と心のケアまでしてもらえた。し
かも費用がちゃんと補償されたのは本当にありがたかったです」と語っておられます。
　被害者自身が制度を理解し、行動した結果、身体的にも経済的にも納得のいく結果
を得ることができる。これが、「軽微な事故でも泣き寝入りしない」ための現実的な道
なのです。

　ある地域の接骨院・院長である鈴木先生（仮名）は、交通事故患者への対応につい
て次のように語ります。
　「私たちは単に患部を施術するだけではなく、事故後の不安や不調に寄り添い、心
身のバランスを整えることを大切にしています。むち打ちなどは画像に写らないケー
スも多く、見た目では判断しにくい痛みや違和感が長引きやすい。そこに手技による
丁寧なケアが大きな意味を持ちます」
　また、保険請求についても、「被害者の方が損をしないように、通院証明や施術明
細の正確な発行、保険会社への説明補助にも力を入れています。診断書を持参され
た患者様には、整形外科との併用もしっかりフォローし、スムーズな治療継続を支援
しています」とのこと。

　このように、施術の質だけでなく、被害者の立場に立ったサポート体制も整っている
接骨院は、事故後の回復を後押しする「もう一つの安心」です。

　交通事故の被害者救済を目的とする自賠責保険制度ですが、行政書士の立場か
ら見ると、制度にはいくつかの“盲点”が存在することに気づかされます。とりわけ軽
微な事故や後遺症が出にくいケースでは、被害者が「補償の対象外」と誤解し、自ら
請求の権利を放棄してしまうことが非常に多いのです。
　たとえば、医師の診断書が無くても接骨院のみの通院で補償対象になりうるという
事実は、保険会社から積極的に案内されることは稀です。また、任意保険会社が関
与する「事前認定」では、通院期間や治療内容に一方的な判断が入ることがあり、被
害者の回復実感と大きなギャップが生じることもあります。
　さらに、制度上は「請求すれば支払われる」構造であっても、書類不備・因果関係の
曖昧さ・手続きの煩雑さが被害者の壁となり、結果的に泣き寝入りするケースも後を
絶ちません。
　行政書士は、こうした見落とされがちな“制度のスキマ”に光を当て、正当な補償を受
けるための実務的・戦略的な支援を行う存在として、今後ますます重要性を増してい
くと感じています。